頭の働きは記憶だけではない

2018年度は、「医療」と「介護」の診療報酬について、同時改定の年です。
医療は2年ごと、介護は3年ごとに診療報酬を改定しているので、6年に一度は同時改定になります。
その同時になるタイミングが、6年ぶりに、2018年度という事です。

いろいろと注目すべき点はあるかと思いますが、やはり介護保険に関しては「2025年」に向けた、地域包括ケアシステムを「2040年」も視野に入れて更に推進していく方向性で進んでいるように感じます。

2025年。あと7年後ですが、この年には、「団塊の世代」と呼ばれる世代が全員後期高齢者(75歳以上)になります。

2040年。2025年からさらに15年後。つまり、「団塊の世代」の皆さんは90歳以上になっていらっしゃる頃です。どういう時代かというと、90歳過ぎというと今の平均寿命から考えると『多死社会』です。

日本はすでに人口減が始まっていて、出生数は伸びていません。働き手となる年齢層も今後減少の見込みです。人口ピラミッドは、いつの間にか上のほうが大きくなった形になっています。

余談ですが、ピラミッド(四角すい)を上下さかさまにみると、なんだか不思議な感覚・・・私だけ?

 

そんな背景の中、超高齢社会となっている日本では、寿命が延びるにしたがって、中でも認知症についての問題が大きな課題として取り上げられています。国は「オレンジプラン」「新オレンジプラン」といった認知症の人や家族を支援できる体制づくりを行っています。

 

■なぜ「認知機能」に今、注目すべきなのか?

さて、その「認知症」ですが、現在では根本的に治療する方法がありません。「認知症」の原因には200を超える疾病があるとされていて、中にはきちんと治療につながれば治るものもあります。しかし、認知症の中でも良く知られているアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症は、今のところなおりません。

できることがあるとすれば、「進行をゆるやかにする」ということと、予防です。

とはいうものの、「予防」についても、アルツハイマー型認知症など、原因が明らかではないものについては、「これで大丈夫!」という予防方法はありません。

ところで、私の経験談ですが、「認知症について」という話をする場合に、参加者の方は以下のようなことをおっしゃることが多いように思います。

「あー、私、最近よく忘れるから、あぶないかもしれないわ」

「私なんか、もっと忘れるわ、もうさっきしてたことを、次の瞬間には忘れているし」

忘れっぽくなってきたから、認知症なんちゃうかって、心配になる」

「そうそう、テレビ見てても、芸能人の有名な人の名前が、思い出せないときもあるわ」

  話は尽きません・・・。

  (一部地域だけかもしれませんが、このあと「思い出せない自慢」が展開されます。)

 

認知症というと、「忘れる」をテーマに話が広がっていきます。
確かに、認知症の症状の一つに、「忘れる」ということはあります。予定を忘れたり、約束を忘れたり、ついには自分の年齢や家族の顔も名前も忘れる、ということを知ると、ショッキングであり、それが印象に深く残っているのでしょう。

 

でも、認知症は、「忘れる」だけではないんです。

 

認知症は、さまざまな原因疾患があることは既に述べました。その原因疾患によって、現れる症状もさまざまですし、個人差もあります。共通して言えることは、「認知症は、認知機能が低下する」ものである、ということです。

もう一度言います。

 

認知症になると、認知機能が低下して、生活に影響がでます。

 

つまり「物忘れ」も、「認知機能の低下」によっておこる、一つの症状です。One of です。

ですので、認知症について考えるとき、物忘れのことだけに注目しているわけには、いきません。

注意散漫になったり、感情の起伏が激しくなったり、方向感覚がわからなくなったり、道具の使い方がわからなくなったり、・・・いろいろです。

 

とにかく、認知症の症状について考えるのであれば、認知機能について考えなければならないのです。

認知症の早期の発見や、予防についての必要性が、今後ますます高まる今だからこそ、認知機能について知っていただきたいと思います。

 

■「認知機能」を知りましょう

では、「認知機能」とはいったい何なのでしょう?

詳しくは「認知機能の見える化プロジェクト」にまとめてあるので、ご覧いただきたいのですが

「認知機能の見える化プロジェクト」『認知機能』⇒ こちら

 

 

簡単に言うと、「生物が対象の知識を売るために、外部の情報を能動的に収集し、それを近く・記憶し、さらに推理・判断を加えて処理する過程(広辞苑)」です。

あまり、簡単でもない? 思い切ってもっと簡単にいうと、「脳が、身体や周囲についての、状況に気が付いて、それに関する情報をあつめて、記憶して、そこからいろいろ考えて、決断して、行動する、一連の流れ」・・・。長くなって、まどろっこしい。でも、そういうことです。

一連のにあたる具体的な機能には、注意、集中、抑制、記憶、思考、推理、推測、計画、言語、計算、読み、書き、遂行、空間認識、見当識、意欲など、多岐にわたる機能があります。

この、認知機能のさまざまな働きは、認知症で低下しますが、それもすべての機能が均一に低下するというわけでもありません。人によって、さまざまです。また、元々の個性として「得意・不得意」があるということは、誰でも経験的に思い当たると思います。

集中力の優れている人とそうでない人、小さなものごとにもよく気が付く人とそうでない人、ものごとの予測が適切で計画を上手に立てる人とそうでない人、行動力のある人とそうでない人、決断力のある人とそうでない人、計算が得意な人とそうでない人、模写を上手にできる人とそうでない人、いつも冷静な人とそうでない人、慎重に考える人とそうでない人、などなど・・・。

「記憶力がいいか、そうでないか」だけではないのです。

 

■「認知機能」にいろいろな機能があるのは、わかった!しかし、それが低下する・・とは?

さて、認知機能には、いろいろな機能があることが分かりました。

しかし、それらが低下する、とはどういう状態なのでしょう。

簡単に言うと、

  • 集中力が以前ほど、続かなくなっていて、本を読んだり編み物をしたり、楽しんでいたことが楽しめない。
  • 注意力が以前ほどなくなったのか、ウッカリが増えた。ヒヤッとしたり、ハッとすることがよくある。
  • お金の計算をきちっちりしていたのに、最近はしなくなった。以前は、端数は小銭で出していたのに、最近は紙幣で払い、お釣りをもらうことが増えた。
  • 穏やかな人だったのに、イライラして簡単なことで起こることがふえた。

のような状態かと思います。しかし、これらの状態は、いろいろな背景で起こりますね。

集中力が続かない、というのは、疲れていると、そうでしょう。心配なことがあっても、そうかもしれません。体調が悪い時も、そうでしょう。微熱が続いてだるいから小説を楽しむ余裕は持てない、というのは、よくわかります。

穏やかでにこやかな状態が多い人も、心配事や、イライラすること、体調が悪かったりどこか痛かったりすると、違って見えることもあるかもしれません。

大切なのは、まず、どれもその変化が「前の私と比べて」という、本人の中での変化をとらえてわかる、ということです。

もともと、ゆっくりと小説をよむことを好まない人、小銭で端数を出して500円玉でお釣りをもらうのに興味がない人、若いころから気が短い人、おっちょこちょいなことを若いころから繰り返す人・・・このような個性の人が、『今』だけを見て、「ウッカリミスが多い!」と行っても、それは機能が低下したわけではなく、その部分がもともと不得意なのかもしれません。

大事なのは、以前の自分と比較して、どう変化しているか、です。

談ですが、私は500円玉を集めています。大好きです、500円玉。
例えば、724円の買い物をするときは、500円玉がもらえるように瞬時に計算します。
もし、私が500円玉をもらうような計算をしなくなり、500円玉に興味を示さなくなったら要注意です。すごく落ち込んでどうでもよくなっているか、計算ができなくなっているか・・・。

大好き、500円玉♪

 

そして、その変化をみて必要だと感じたときには、専門医の受診や、生活環境や習慣の見直しを行うことが大切でしょう。

 

■認知機能には、個性も反映されています

そういうわけで、認知機能には、その人が持つ「得意・不得意」という個性が現れます。いや、むしろ、認知機能に、得意な部分、苦手な部分があるから、それが個性となるのかもしれません。

いずれにしろ、行動や理解の個性は認知機能と関連をもっている部分があります。

変化については、自分自身との比較が大切ですが、今の時点での個性として、認知機能の特性を知ることは、コミュニケーションを上手にとる上で役立つでしょう。認知機能の特性を知ることで、認知機能の特性に合わせたコミュニケーションをとることができるかもしれません。

つまり、例えば「絵で説明した方が分かりやすいか」「小説のような長文を読解することが好きなのか」「箇条書きがいいのか」「漫画のように絵と文字でいいのか」と、説明の方法を考えることができます。テキストや参考書を選ぶときの参考にもできるでしょう。Aさんにわかりやすいテキストが、Bさんにはわかりやすいとは、限りません。なぜなら、それは、AさんとBさんの認知特性は異なっているからです。

「認知機能の見える化プロジェクト」『認知機能』⇒ こちら

 

 

■認知機能の5つの機能の変化と特性を確認するには「CogEvo」があります

さて、あたまの働き、認知機能には色々あるんだ!ということ、そしてその特性を知ることが、生活を安心安全で快適に続けていくためには必要なのですが、そのために、どうすれば認知機能がわかるのでしょうか?

脳活バランサーCogEvoなら、
認知機能を簡単に、5分程度の、楽しいパズルゲームで確認することができます。
結果はグラフで、認知機能の5つ(注意力、記憶力、計画力、見当識、空間認識)のバランスを示します。
また、経時変化を折れ線グラフで表します。
つまり、認知機能の状態や変化を楽しく、5分で、カンタンに「見える化」します。

脳活バランサーCogEvoのサービス説明は こちら

 

 

■おまけ

4月の診療報酬同時改定に向けて、医療・介護に携わる皆様は、お忙しい毎日かと思います。4月が、待ち遠しいような、より一層の慌ただしさを思うと、もうちょっとまだ3月のままでもいいような・・・。

でも、春はすぐそこに。三寒四温と申しますが、気温差の激しい季節、冷えと油断は禁物ですね。

水分もしっかりとって。あとは、花粉症対策も万全に・・・

桜の木。(3月1日 明石市内で撮影)

朝の研究所で、撮った写真を大写しにして、つぼみの様子を観察。「芽が少し出てきているね。春の見える化だねぇ!」

 

 

※「脳活バランサー」は株式会社トータルブレインケアの登録商標です。
※「COGEVO」は株式会社トータルブレインケアの商標です。
※登場する活太郎はロボホンです。「ロボホン」は、シャープ株式会社の商標または登録商標です。